2009年11月 6日 (金)

分散化(ローカリゼーション化)

 イノベーションのひとつに、「分散化方法」と言う、創造性破壊行為がある、とボケ爺は信じている。

 IT産業では、IBMの危機があった。メインフレームコンピュータの大型を求めていたIBMはパーソナルコンピュータに足をすくわれた。IBMだから出来たサービス業への転換であった。

 水道業は、地方自治に、はじめから分散されていた。ダム建設などで、一部集中化で揺れ動いている。多分これ以上の分散は出来無いかもしれない。

電力業界は、センター集中型である。広大なインフラで、便利になったものの、CO2と、原子力という有害物質との標的となっている。グリーン戦略と言っては、家庭向けの太陽パネル、風力、燃料発電、など推進されている。相変わらず、電力業界との関係の規制がある。買い取り制度など考えずに、個人責任で電力活用を考えればいい。分散すれば、追加インフラ整備はいらない。その分、資金援助をすればいい。EV車との連携で、家庭内蓄電は活用される。EV車の電池はスペアとして、レンタル業者がサービスするであろう。プロパンガスボンベのように。

食料産業も、大型化が推進されていたが、家庭内食物工場化が進むであろう。全てはいかないだろうが。地場直結の小規模な食物工場も歓迎されるだろう。そんな技術が出来るだろう。

 自動車産業の分散化が起こるのではないかと思っている。規格量産型ガソリン自動車時代が巨大な自動車産業を構築してきた。今日その組織維持ができなくなってきて倒産が起きている。目的別に、国の事情に応じて、車の形態が変わってくるだろう。長距離用、短距離用、買い物用、運搬用、もっともっと細かくセグメントが分かれる。ガソリン車、HV車、EV車、など。それも国ごとに違ってくるだろう。車産業の分散、つまり、ローカリゼーションである。分散化という創造的破壊が起こり始めている。

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2009年11月 4日 (水)

ビジネスモデルの革新

この経済危機の中で、アマゾン・ドット・コムが69%の増益である。電子書籍端末の「キンドル」が貢献して、その他、割安感の製品も良かったらしい。「本と言うモノ」と「複雑な流通」の「中抜き」で古いビジネスモデルが破壊されてきた。本代には、通信費が含まれている。日本にも上陸してきた。アップルのiPhoneも引き続き好調のようで、今期は最高益だそうだ。

 日本は、音楽配信も、書籍流通も旧態依然とした考えしかなのだろうか?一方、「ユニクロ」はSCMの破壊を自ら実行して、一人勝ちになっている。<「成功は一日で捨て去れ」柳井正 新潮社>がベストセラーとなっている理由がここにある。創造的破壊を恐れない人が、業績を伸ばす。

 ホンダの業績の回復は目覚しい。他社の赤字を横目に、営業利益が大幅に向上した。その立役者がHV車の「インサイト」である。トヨタの「プリウス」販売の三分の一ほどであるが、利益ははるかに多いのだ。つまり原価がプリウスよりはるかに安い、と言う事だ。これは価格破壊のビジネスモデルの商品と言う事になる。さらに、HVのためのリサイクルの準備も整えている、と言う。「インサイト」は徹底した「軽量化」、「シンプル化」に取り組んだ。価格破壊を狙っての事だ。「プリウス」は重厚で、複雑で技術バカ(技術は高いが革新は起きない)であり、成り行きの価格設定であり、どこにも破壊力はない。「インサイト」の価格設定に引きつられ、予定の利益は吹っ飛んでしまった。だからトヨタの業績回復は遅れている。HVを名実ともに定着させたのは「インサイト」である。

 今年のカーオブザイヤーは「インサイト」に決まった。「プリウス」はカーデザインオブザイヤーを受賞しているが。ビジネスモデルの革新が、イノベーションであり、シュンペーターの言う創造性破壊と言う事だろう。

<読書>

「せつない話」山田詠美編 光文社文庫

悲しいとも違う、辛い事とも違う。どうにもならに運命のような物である。決して大きな出来事ではない、小さいことだが、なんとも出来ない、制御できない、流れに従うしかない愛だったり、情だったりの心の襞である。涙まで行かない湿りがある。短編集である。

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2009年3月22日 (日)

身の丈にあった成長

 NHKの日曜日の朝の放送で、「経済の羅針盤」がある。海外にいても見ることが出来る。出来るだけ見るようにしている。いろんな企業の重鎮が、企業経営のあり方を披露してくださるからであり、大変に役に立つ。今回は、とりわけ経済危機の中にあって、順調に成長していると言う、中堅どころの、ニッチな食料加工工業の会長さんであった。

 報道されたので、名前を出してもいいのだろう。伊那食品工業、で、寒天を主力にした食料加工の会長、塚越寛会長である。「年輪経営」と言う本も出されて人気が上がっているとか、言われていた。

 塚越会長の経営論

1)     急な成長を望まない。身の丈にあった継続的な成長を考える。年輪のように。

2)     ヒット商品についても、急激な売込みをしない、それで急成長をすると必ず、しっぺ返しが起こる。好景気には、不景気が付き物だ。ブームが過ぎれば投資の負債が残る。(スーパーからの要望も、断ってきている、と言う)

3)     余裕のある経営に心がける。開発には惜しみなく投資をして、ヒット商品を、在庫として貯めておく。

4)     成長は善と、成金が善、と言う思想はない。市場のパイの過酷な奪い合いこそ、悪である。

5)     100年のカレンダーで、社員一人ひとりが、将来を考えるべきである。ちなみに、塚越会長として、少なくとも20年先は読んでいる、と闊歩しておられた。

6)     社員には特別に、大切にしなければならない。そのために福利厚生面で、十分な補償をする。(創業以来、全社員のアルバムを金庫にしまっている)

7)     社会、社員の将来の幸せになることを考えて行動する。

今は、金資本主義を見直さなければならないときに、すでに実施している企業があることに、頭が下がる。今の状態は、バブル(急成長)の負の資産の余波が押し寄せているからだ。

<読書>

「螢川」宮本輝 角川文庫

戦後の貧しい生活には、皆が必死に生きていた。そこに、人間味も現れ、隣人愛もあり、皆が一緒だ、と言う思い、もあっただろう。その分格差が少なかったのかもしれない。今の時代、もう一度原点に戻らなければならないのではないだろうか。この小説はその一端を担っているように思える。

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2009年3月15日 (日)

ヒット商品に物語性を

 今年は、経済状態とは裏腹に、春が早く訪れるようだ。昨日はそれでも朝夕はマイナスであったが、今日は一転暖かい。天候と、経済危機は全く連動しなくなっている。農業ベースでないので、当たり前であろう。

 日本では、2008年、デジタル家電では、上位メーカーの寡占化が目立つようになってきている。主要11品目で、上位二社の国内販売のシエアが伸びたのが、7品目。9品目では、なんと二社で50%以上のシエアになっている。下位メーカーのシエアの落ち込みが目立つそうだ。この経済不況で、体力勝負の時代となって、なんと残酷な時代に入ったものだ。業界再編は必須であろう。

 ヒット商品の法則が読み取れそうだという。これまでは、「不景気にはロングスカートが流行る」は、当てはまらないそうだ。相変わらず、「ミニモノ」が流行っているらしい。」景気後退期には、「モノトーン」が、これも当てはまらない、との事。「車のデザインは角型」も当てはまらない。「映画は不況に強い」は当てはまっている、という。

 一般には、1)節約志向、2)家庭回帰、3)一点豪華主義、であったが、先ず一点豪華主義のヒットは生まれていない、と言う。「タジン鍋」を知っていますか?蒸し焼き鍋のことである。今流行っているそうだ。ここには「物語性」があるという。何故いいのか?などの説明や、デザインのいわれだとか、いっぱい説明しなければならないからである。「何故」と言う物語を語りたい人が多くいるからだ。これからのヒット商品は「物語性」が必要だ、が結論である。

<読書>

「土を喰う日々」水上勉 新潮社

不景気には、家庭回帰である。手ごろな野菜類で、手軽に料理を作り、美味しいお酒で、おもてなし、これ最高。

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2009年2月19日 (木)

企業生態学

 昨今の雇用不安から、何時の時代も、長期に不安のない、安定雇用の公務員に人気が集まっている。だから何時までたっても公務員は、最も生産性が悪い労働者のままである。給与を削減するべきだ。

 経済危機の需要変動の調整弁として、人権費抑制構造を、何に求めるか、伝統技術の守りをどう確保するのか、の二点に焦点が当たっている。三次産業のサービス業の金融業、流通業、その他は、福祉などの新しいサービス業の創造、活性化、飲食サービス業などの拡大で、雇用調整がなされている。一次産業も人材募集をしているが、農林漁業ともいまひとつ人気がない。ここには産業創造性がないからだ。

 雇用調整は、ワークシエアリングが当然だと思う。昔は、兼業勤労者が多かったので、さして課題にならなかったか、と思う。ボケ爺の田舎でも、農業と会社務めとを両立されていた人が多かった。近年の工場立地が、工業団地とか、中堅都心に集中しているので、外部人材に頼った。副業も難しい。企業も許していなかった。

 違う見方をすると、日本は個人主義が慢栄してきている。自分さえ良ければよい、と言う時代背景がある。人材流動性が行き過ぎて、「企業への忠誠心」がなくなってしまった。企業も生産調整に解雇は当然だと考えている。

共同体意識があった頃は、結構、ワークシエアリングなどを、受け入れてきた。ボケ爺も、何度かの経済危機を経験してきた。その都度、残業禁止、賃金カット、一時帰休、ボーナスの現物支給など。企業運命共同体、勤労者間の共同体意思が強かったので受け入れられたのだ。良い人材が残り復活が出来たのかもしれない。企業は、人材で決まる。永遠に人材は人財である。

 日本企業を強くするには、さらに良き人材を求めて、外部人材は活用すべきである。共同体の保護主義、年功序列の強化など、極端に走らないようにしたい。

 ボケ爺、いつも思うのだが、いろんな課題の解決法には、「バランス感覚」がもっとも重要だ、と考える。バランス感覚理論には法則が作れない。外部要因で、変わる、だから厄介だ。産業界のバランスも大切である。二次、三次産業に偏り過ぎた。さて、結論は?

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2009年2月10日 (火)

五里霧中

 ここスウォン市は、このところ、毎日、霧の深い朝を迎えている。今日は特別だ。隣のアパートもかすんでいる。寒暖の差が激しいからである。まるで、今回の経済危機の先行きを見ているようだ。先の見通しが全く読めない。

 日本から聞こえてくる企業の決算予想状況では、日本株式会社は一蓮托生の様相である。もっとも優良企業とされていたトヨタは一兆円以上の昨年の利益から、3500億円の赤字になるという。一方電機業界も日本株式会社の牽引役であった。その中のトップであるパナソニックも一転して、3000億円ほどの赤字に陥ると予想されている。日立はなんと7000億円の赤字の見通しだそうだ。しかし、決算予想発表に、2業種で大きな違いが出ている。

 トヨタ(自動車産業の代表)は「臥薪嘗胆」型の対応が目立つ。つまり、今は、我慢。内部力を「切磋琢磨」して磨き、「是々非々」で来る日に向けて「虎視眈々」と情勢を呼んで、危機を乗り越える対策になっているように読み取れる。

 一方、パナソニック(電機業界の代表)は「創造的破壊」型の決算発表になっている。不良資産の売却、人事整理などの、構造改革費用が赤字の大部分を占めている。今を「千載一遇」のチャンスと捉えて、「心機一転」蒔き直しを図ろうとの意思表示に見える。ドッグイヤーから、マウスイヤーになった「朝令暮改」の業界であるからだ。

 日本株式会社の経営建て直しは、待ったが許されない。「絶体絶命」状態である。二種類に分かれたのは興味がある。いずれの対策についても、「虚心坦懐」「当意即妙」「一気呵成」でなければならない。ましてや「優柔不断」など、あってはならない。

 さて、ボケ爺なら、どんな策を考えたかな?呆けた頭では、「色即是空」かな。でも何時までも空っぽ!だろう。

<読書>

「四字熟語ひとくち話」岩波書店編集 岩波新書

少しは四字熟語など、ふんだんに使ってみたいものだ。これを読むと、教養のないことが改めて分かってしまい、「意気消沈」を起こす。ちなみに、上述に出てくる四字熟語は、この新書には出ていない。

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2009年2月 2日 (月)

米国の変化に女性トップ

 あのヤフーのCEOが、キャロル・バーツに変わった。女性トップである。マイクロソフトの提携、買収問題で揺れた1年であった。今回の経済危機でもヤフーは安泰ではない。経営危機脱出に、今後どんな「変化」に挑戦するのか見ものである。

 それにしても、アメリカは女性のトップが目立つ。トップ500社の内、13名が就任しているようだ。話題になったHPのファリーナ氏はすでに引退した。有名なところでは、デュポンに、エレン・クルマン氏、すでに、バイオや、代替燃料に経営の基軸にシフトさせている。さらには「安全」と言う事業セグメントを作りつつある。

 ペプシコには、インドラ・ニューイ氏である。多彩な商品を抱える食料・飲料会社に変貌させている。脱炭酸への変化も進めている。ゼロックスのアン・マルケーヒー氏は、経営改革を自己否定から始めている。無駄なコピーを排除し、コスト削減(コピー機を削減しよう)を提案して、「サービス業」を売り物にする企業に変換を図ってきている。

 女性は、「変化」に柔軟な思考があるのだろうか。今後の活躍が楽しみだ。それに、今回の経営危機をどのようにして、切り盛りするのかも、期待と、手腕に注目していきたい。こんな時期、経営トップの男と女、どんな手腕を発揮するのだろうか?ボケ爺の人生での楽しみな見学会である。

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2009年1月 8日 (木)

年始の辞

 企業では、激動の2009年が始まった。各企業の年頭の辞には、共通する所感がある。ボケ爺も、もし、トップであれば、同じような事を言ってしまうだろうな、と、思い注意深く分析を試みてみた。

多くは、「世界中が100年に一度の経済危機に直面している」から始まる。「今こそ、イノベーション(技術改革)が必要なとき」「不況突破の鍵はイノベーション」「誰も作っていない物を作る」など、技術革新に檄を飛ばす。しかし、「言うは易し」、である。今までの怠りを反省するが遅すぎないか?

 「次の飛躍に備えて」「基本に返り」「変革を進める」など、経営論に言い及ぶ。分からないところでは「健全な拡大」などの言葉もある。「逆境に耐えてこそ、大きな成長」が期待できると、思っているらしい。それでは今まで、何もしていなかった事を証明しているようなものだ。

 さらには、「先を読む」「現場のデータを分析して、変化の予兆を捉える」「甘えが無かったか、原点に戻って」「反転攻勢を仕掛ける」「積極的な守りを意識した経営を」など、自己反省はいいのだけれど、そこに原因があるわけではない。時代は変化している。時代錯誤型の所感はいただけない。

 この経済危機を、「悲観的に捕らえず、好機と捉えて」「戦略性のある投資が、今がチャンスである」「日本の底力を信じて、攻めよう」と勇ましい空元気型の方も居る。

 ボケ爺はトップでなくて良かった。なぜなら、このような「空虚な事」を言わなくて済んだからである。ボケ爺の好きな言葉に、中国のことわざであるが「隗より始めよ」である。本田宗一郎も良く使っていたそうだ。何事にも行き詰ると、この言葉を思い出す。今年は丑年である。牛歩千里であり、五里霧中でありたい。

<読書>

「密会」吉村昭 講談社文庫

ノンフィクション作家の初期に、こんなフィクションか、ノンフィクションか分からない、不思議なミステリー風で、「男と女」を描いた短編が数多くあったとは、真に驚きである。新年早々、良いお年玉となった。

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2008年12月 8日 (月)

ニッチか、弱肉強食か

 ヒット商品はどうしたら生まれるのだろうか?いつも考えている。単純な技術力だけの問題でもないだろう。以前、NHKの番組で、題名は忘れたが、歌謡曲のヒットまでの物語を披露していた。B面からのヒット、歌い手の変更、ちっとしたアレンジ、など、簡単にヒットになった訳ではないようだ。偶然性、時代と言う運もある思う。iPod, iPhone, Wii,など、感性の占める割合が多いようだ。長寿命の商品もある。日清のカップヌードル、永谷園のお茶づけ海苔など、味の刷り込みのようだ。

 ヒット商品は、うまくニッチを見つけている。ニッチとは、隙間商品と言うことではない。分子生物学者の福岡伸一によれば、「巣」と同じ語源を持っているらしい。全ての生物は。自分の生活空間を限定して、ニッチを守っているという。出来るだけ、多種との競争をさけていて、棲み分けている。

 生物と違って、人間の生きる経済社会は、適者生存、弱肉強食の世界である。生物のように、多様性のある棲み分けは出来ないものだろうか。動物、小鳥などの音声(周波数)も重ならないようになっているようだ。人間社会の言語と同じようだ、が今は、グローバルである。弱肉強食の範囲が無限になってきている。物資が豊かになりすぎている。それに複雑系である。

 ボケ爺の悩みは尽きない。ヒット商品には3点の絡みがあるのではと考えている。一つは、技術力である。何といっても進んだ技術力に支えられている事だ。次が、意外性の技術の組み合わせが必要だ。意外性とは、感動を呼ぶ。他に、形である。つまり美しいデザインであろう。特に、意外性の技術の組み合わせである。平凡な技術でも良い、組み合わせに妙があればいいのだ。

 経済の低迷が続く。これがチャンスか、益々厳しくなるのか。これからもボケ爺は眠れない日々が続く。

<読書>

「富の未来」トフラー 講談社

経済、経営、技術の専門書の紹介はしないことにしているが、この作品は、未来学の基本哲学である。来るべき将来の物語が、膨大な資料の基で組み立てられている。演繹の方法論であり、現象学であり構造主義論であり、考えさせられた。

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2008年9月26日 (金)

ボーイング社の戦略に学ぶ

 日本経済新聞社の9月24日版に、ボーイング社の747-8の広告が3ページに渡って載っていた。一ページ目は、「空に新しい時代がやってきた」とだけ。真っ青な空と太陽の中に。2、3ページは見開きで、ボーイング747-8の機体の全景と、内装の様子であった。鳴り物入りのボーイング787はどこへ行ったのか?

 機体の構造、否、改良部分が大切だ。全体の大きさは、現747機と変わりがないけれど、翼の構造(軽量、低抵抗化)、エンジンの仕様(高効率)、室内構造(優雅な客室を保ちながら、貨物搭載を30%増)、全体の軽量化、最大の特徴は、乗客一人当たりの飛行コストがどの飛行機よりも低い事にある。エアバス380(もっともジャンボな)と比べて、CO2の削減が12%できていると言う。

 787の設計思想の多くが、ボーイング747-8に適応されている。翼などそっくりだ。この翼は787の長ボディー用にすでに設計されていたのではないだろうかと思う。「-8」とつけるところがにくい。つまり、787の8を取ったに違いない。787の開発の影で、747の改良をしていたとは、全く知らなかった。ボケ爺だけが知らなかったのか?日本の部品納入メーカーもてっきり787用として、製造納品していたのではなかろうか?

 エアバスと、ボーイングとは、今までのところ、五分五分の戦いになっていた。EUという共同体との戦いであるから、787クラスを急いで開発する必要はない。なぜなら、エアバス380を除けば、まだ十分に戦えるからだ。

競争のポイントは、ボーイングが、エアバス380に対抗するには、747しかない。しかし、747ではいささか古すぎる。飛行効率も悪くては戦えない。予想よりも経済は低迷している。市場は747クラスで十分である。そこで、首脳陣は考えた。「747の顧客を逃がしてはならない。」380は大幅に遅れている。787を遅らせて、「787の設計思想で、747を急遽改造しよう」と。ボーイング787の開発遅れが問題になっているが、これも作戦だったのだ?

ボケ爺には、そんな戦略が見えてくる。ボーイング社の戦略は図星である。その戦略の決断に脱帽する。久々に爽快な戦略を見た。

<読書>

「白い夏の墓標」ハハキギ蓬生 新潮社

ハハキギの漢字変換が出てこなく、失礼。医学ミステリーである。細菌兵器の開発にまつわる科学者の葛藤の物語となる。平凡ではあるが、筋縦がミステリーである。展開に感動する。

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