2024年5月 4日 (土)

方丈庵記(歴史は繰り返す)

 快晴の連休の中日。ルチーンの散歩に出かける。途端に、救急車2台がやって来た。どうやら一台は無駄であった。一台に運ばれたのは、若いご婦人。多分、信号が青になって駅へと渡ろうとした時。お年寄りが乗った電動自転車がぶつかったのでは?救急車の職員は「頭を打っていないか見てもらおう」、と。お年寄りは、盛んに謝っている。

 午後は、マクドナルドのドライブイン店の前で、お年寄りが電動自転車で転んだところに、出会った。それをご婦人2人が介護している。駐輪場から出て、自転車にまたいだところで転んだ、と言う。立ち上がっても足腰がふらついている。救急車を呼ぶことにした。

 今日の本題は、NHKの朝の放映で「歴史学者・磯田道史」の「歴史は韻をふくむ」である。歴史学者の幼少時代、いかに歴史が好きになったかを語る番組だった。ある意味平凡であったが。「これからの日本は」の質問に、3つの重要な指摘があった。

  • 歴史(事前災害も人的出来事も)は繰り返す(螺旋状のように)。その時必ず韻(止揚)を含む、と。ボケ爺の一生の研究課題の「弁証法的唯物論とは」、である。ボケ爺は、技術科学、製品開発、イノベーションでの研究だが、磯田氏は歴史そのものが弁証法的唯物史観だと言い切る。ヘーゲル万歳!
  • 「カラダを使って体験して覚える」。そこには「一つの答えではない」「多数の答えがある」ことを知れ!
  • 多様性の時代を求めるが、多様性とは、「1つの製品を作るにも、分業で特異な部分を一生作り続ける社会であろう」、と。江戸時代の、筆の筆記の世界、版画業、着物世界、等を言わんとしていた。

 NHK渡邊アナの笑いが魅力的で、「磯田歴史学者の口が軽くなる」。名アナだ。

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2024年4月14日 (日)

やるじゃない富士フィルム

 「富士フィルム、バイオ薬受託生産5倍 世界投資7000億円」なるニュースが飛び込んだ。ボケ爺はバイオ薬剤なるのモノをよく理解出来ていないど素人。今盛んに議論されている日本の半導体産業復元に、台湾のTSMCのファンドリー(受託生産企業)の誘致で日本は1.3兆円もの補助金を出すのだが。電子装置はこの受託生産業は今や常識になっている。

 一般的な薬剤ではジェネリックは常識であるが、受託生産とはやや違う。iPS細胞では、細胞の生産に特化する企業が模索検討されている。バイオ薬剤に特化して受託生産業構造に目を付けたとことにイノベーション経営だ。富士フィルムはアナログフィルムの生産では世界でトップクラスだった。多くの化学者を抱えていた。化粧品産業に活用していることはよく知られている。さらに、優秀な化学者の活用にバイオ薬受託産業で見つけ出したことは、社員を活用する経営は成長基本である。

<読書> 「イノベーション・オブ・ライフ」M・クリステンセン 翔泳社

イノベーションのジレンマで有名なM・クリステンセンの最後講義をまとめたもの。人生論、「働き甲斐についてイノベーティブな生き方を指南」した内容だ。幸せな仕事をするため、幸せな家庭や友人関係を築くためには創造的戦略理論が必要だ、と言う。「何を考えるか」ではなく「どう考えるか」からの理論だ。その為に、「相関性」「因果的作用」を重視せよ。戦略的理論には「報酬(誘因)」と「動機付け」がある。動機付けを優先すべき、と。「意図的戦略」と「創発的戦略」の無秩序のバランスが肝要。そこにイノベーションライフの理論が構築される。

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2024年4月13日 (土)

岸田首相主体無き従順

 バイデン大統領は岸田首相を来賓待遇で迎いれ、「一体化を演技」した。表向けでは、中国を念頭にネットワーク型のアライアンスを構築し日本に中心を担うことを期待した。それに、膨らむ軍事費用で日本を技術面で期待した。又、米大統領選に利用もされた。

 裏読みでは、対中国対策で、①日本に主体性の対応を匂わせて、日本を支配する構造を企んでいる。その為の「米軍の組織改革」であり、日本の「組織改造」だ。すなわち、「アメリカが司令塔」であることを匂わしている。②膨れ上がる軍事機材や軍事装置の費用の日本分担を強いるだろう。「日本は技術力と言われ舞い上がっている」。

 今回の共同発表はあまりにも抽象であり具体性が後回しにされている。岸田首相は帰国後、議会で説明できるのか?そもそも、日本からの主張した内容はあったのか?一連の会議の進行を見ている限り、岸田首相は「Yes-Man」制を暴露した。日本からの主張はなにもなかった。

 残念、将来を考えるアメリカの日本潰しの戦略に乗っかってしまった。日本に「主体性(未来戦略)が欠如」しているからだが。

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2024年4月 3日 (水)

自民党の処分とは何のため?

 自民党がパーティ券のキックバック裏金で処分すると、岸田首相は息巻いているが、その理由が良く分からない。「国民にご迷惑をお掛けした」、と言うが、その「ご迷惑の内容」がまるで見えてこない。

 そもそも、キックバック「額の検証」は誰がした?第三者の会計士が代行してくれたのか?自己申告でしょう?その裏金の使途も自己申告。多くの議員は政治資金への「記載ミスと修正」している。この検証は税務署で行ったのか?「国家議員だから、税務署は調査しない」、との規約があるのか?国民からは厳しく取り立てするが。 すべてが自己申告をそのまま鵜呑みにしただけではないか?「これで正しいのか?」

 さらにキックバック額が大きいとか少ないとかで処分内容が違う、何故か?裏金を私物に使ったことには変わりない。その「行為は同じだ」。民主主義では処分も同じにしなければならない。さらに500万円以下は処罰されない?何故か?若手議員の造反を抑え込むためか?

 岸田首相も当然処分対処だ。自民党全体が離党(つまり自民党解散)。幹事(役員)だった人々は次回の選挙に出馬できない、の罰則があってしかるべきだ。

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2024年3月30日 (土)

日本の経済政策は間違え?

 24年度予算が成立した。岸田首相は、「新資本主義(経済循環の正常化)」を強調して、長い金融緩和を続けて、「デフレ脱却」の仕上げの年を強調した。金融緩和の長さは世界と比べ異例である。今の物価上昇(特に食品)は異常なインフレだ。

 バブル崩壊後、委縮した経済。「投資が縮小した」と強調するが、順調に延びていたとのデータがある。確かに人的投資(雇用、給与面で)は縮小した。海外輸出も縮小し、国内需要を喚起するために売価を下げた。だが好転はしなかったことは事実だ。この点だけを強調してデフレだったと判断した経済人、政府(官庁を含む)は経済音痴であった。

 政府は補助金で支援してきた。家電はエコ製品に、半導体は原価維持に補填、同様な補填は自動車業界にも。これらの補助金は全て国債で賄い、負債を膨れ上げさせた。岸田首相のバラマキ補填、支援はさらに加速している。

 バブル後の、そのもの始まりは「原価低減力不足で競争力を無くした」、さらに、イノベーションを潰し挑戦を避けたために、市場を揺るがす製品が生まれなくなった。いわゆる海外と比べ競争力を無くしてしまったからである。

 競争力に補助するのではなく、売価への補助だった。これは土屋健郎の言う『甘えの構造』に浸かっているからだ。

 資本主義は、基本的に民主主義を基盤とする「競争社会」であることを反省しない。異次元(異例)経済政策では、何時までも日本の経済発展(GDP)はない。

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2024年3月28日 (木)

国産旅客機、再挑戦?

 今日の朝のTVニュースで、三菱の国産旅客機の失敗を受けて政府内で精査した。再挑戦をして国内の航空機産業を育成したい、と。経産省副大臣がアナウンス、と。

 その理由が、「一社で挑戦」して、いろんな幅広い、特に安全・規格の経験が無かった。部品調達に、幅狭い視野が欠けて原価高に。そこを改善すれば再び挑戦する価値はある、と。そのために、再挑戦には複数の企業が共同して開発すれば可能性がある、と言う。

  まだ、政府や、官僚たちは日本人の欠点を理解していない。数社共同での次世代コンピュータ補助金、半導体企業合同の次世代半導体開発補助金、高効率エンジン共同開発、等々。「共同して」の枕詞を生かせない日本人「村企業風土」の組織論の反省をしない政治家、官僚群。膨大な補助金は国民の税負担との自覚がない「無責任ニッポン」。共同開発で成功したプロジェクトは無い。

  アメリカは、NASAの宇宙開発事業で、共同開発組合の運営法、マネージメント法、等を徹底的に研究してから、着手した。多くの教科書が生まれたが、日本はその運営、管理法を無視してしまった。アメリカでのホンダ飛行機は見事に成功している。何故か?多様性の組織論、管理論を生かしたからだ。

  結論は、国産機開発の再挑戦は失敗する。国産旅客機YS-11の時のように、「別会社」を起こすべきだ。

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2024年1月18日 (木)

能登震災で不都合な真実

 能登地方の大震災の報道はきめ細かく報道されている。あまりにも、同じような質問と住民の苦悩の繰り返しが、逆に住民を苦しめている、と思えてならない。黙々と支援がいきわたることを被害者は望んでいる、と思える。

 その中で、重要な被害について、2点の報道が十分ではない。むしろ、震災後の復興対策に最も重要な報道が隠されているのかと思える。メディア(ジャーナリスト)の責任なのだが、「不都合な真実」をあえて隠しているのではないだろうか?むしろ、政府が隠すよう後ろで操っているのかもしれないが?

 先ず一つ目は、能登半島の中ほどにある志賀原発の事故の内容の公表が小出しであり、矮小化されている。地震がもう少し大きければ、どんな現象になるのかの追及、それに、近くの住民の避難についての指示が出たのか?非難に対して準備状況はどうだったのか?端的に言えばオイル漏れとか、電源供給に対する事故の先をどう読み、住民避難指示準備をどうしたかの真実を明らかにすべく、報道をもっと追求すべきだ。

 二番目は、3年も2回の少々大きな(6弱、6強)の地震と微振動の繰り返しのメカニズムの追及が出来ていなかった理由と、今回の地震との差異の検証について、もっと真実に迫らなければ、災害の対応が遅れる。3年前からは水蒸気爆発で、微震度は続くが今まで以上の強度の地震は起こらない、「大地震の確率は遥かに少ないと結論を立てていた」。そのため地震計の設置も少なく、津波計もいい加減であった。

 この2点の不都合な真実を、是非に解明する努力を、政府に追求して欲しい。今後の自然災害の多発に日本は対処できなくて、沈没するであろう。

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2021年1月 7日 (木)

パラダイス変化と谷崎潤一郎の洞察力

 COVID-19のパンデミックは「グローバル」「分断」「日本の存在の後退」と言うパラダイムの変化に直面している。

「100分de名著 谷崎潤一郎」島田雅彦 NHK出版の読書感想で目からウロコだ。

タカダカ、600円のEテレのNHKテキストである。これほど、コロナ時代の洞察を支える示唆に富んだ評論は無い。

明治時代のパラダイス変化の中に生き、富国強兵、殖産興業、立身出世の男性社会中心。その資本主義から一線を置き、大正時代は、軍国主義と変化する中にも一線から退き、社会を見つめ直して小説を書き続けてきた。それが、女性を中心に据え、変態(痴)と言う人間の本能を成熟させた。

一方、江戸文化、美意識を賛美する政略は、関東大震災後、大阪(関西圏)から「超高齢者社会」の生涯の生き方を先取りしている。社会から少しズラして、「悟り」など開かず、一生現役の無意識の本能を素にエロティシズムを描き続けた。それは、コロナ・パンデミックの時代の先取り。敢えて言えば、谷崎文学は、世の差別を生む資本主義的宗教に埋没することなく、美意識文化を異常なほどに洞察したのだろうか。

敢えて言えば、日本の文化がガラパゴスと言われるが、そこから発する日本の任天堂、ソニーのゲーム機であり、カラオケでもあり、漫画、アニメの世界ではなかろうか?さらには、ストッキング、コンドームまでもが、日本的美意識の中にある、と、谷崎潤一郎は主張するであろう。これからの世の中、分断、隔離される個人は退屈を紛らわせる日本の技術が、これからの社会を救うであろう、と。「どうだ、この発想は進歩主義からは生まれない」と、微笑んでいるのではなかろうか。

<読書>

「谷崎潤一郎を知っていますか」阿刀田高 新潮社

副題に「愛と美の巨人を読もう」となっている。前著の「夏目漱石を知っていますか」の続編である。残念なのは、漱石の時と比べ、筆者の意見が少なかった。筋書きをなぞるだけの作法であり、骨が無くなった。作風の評価表の漱石と比べ随分と甘い、と思う。痴の成熟と美の成熟の絡みを、もっと評論して欲しかった。

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2019年9月 4日 (水)

やってしまった週刊ポスト

 日本を代表する理性派の週刊誌が、感情に任せて理性を失った。2日発売の週刊誌「週刊ポスト」9月13日号の特集記事で「韓国なんて要らない」と、豪語した。

 週刊ポストは「嫌韓」よりも「減韓」、さらに「断韓」まで考えよ、と叫ぶ。 「厄介な隣人にサヨウナラ 韓国なんて要らない!」との特集を掲載した。

よりによって、「怒りを抑えられない「韓国人という病理」「10人に1人は治療が必要」とまで言ってのけた。

「人生に七味あり」江上剛(徳間書店)によれば人間は「七味とうがらし」の様に、恨み、つらみ、妬み、嫉み、嫌み、僻み(ひがみ)、やっかみ、などに苦しむ人生だ、と言う。さらに、自尊心は厄介だ。韓国人の心に火を注いだことになる。

案の定、この記事に、すぐに批判の声が上がり、あっという間に炎上している。著名な作家や知識人が小学館との仕事はしない、とまで憤慨を表明している。

 小学館は、回収については「考えていない」と、言っているようだが?本当か?何故か?これも小学館の自尊心か?

 ボケ爺でも、これは明らかに「ヘイト記事」だ、と思う。週刊文春や、週刊新潮に追いやられている反動か?どこかの政治家のような変な見栄は止めてほしい。まずは「自らの行い」を振り返るべきだ。

<読書>

「独学の技法」山口周 ダイヤモンド社

副題に「知的戦闘力を高める」と。知的になりたい人は独学に限る、と。その意味は、①戦略、②入力、③抽象化、構造化、④蓄積、を心掛けること。だが、戦略については、細かく目的を追求しすぎるな、と。この世は複雑系、セレンディピティ(偶然性)が大切で、「知の創造」は予定調和しない。又、「リベラルアーツ」の勉強が最も大切、と。無目的は後に生きることが多い、と。抽象化には、苦しくとも時間をかけて試行錯誤する事。定理を見つけること。などなど。

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2015年12月30日 (水)

2015年を記憶

政治篇

 安保法制を成立させた安倍内閣の専制政治に、日本の禍根を残す。世界は益々混迷を続ける時、アメリカに守られないと生きていけない日本が哀れである。

 集団自衛権行使も、混迷の中、アメリカに加担して、自衛隊も出動する機会は増えるだろう。これでは、日本はアメリカの属国になり下がったとの評価を受ける。

 安倍首相の、議会制民主主義の抜け道の「策士の支配」で、国民は可哀想だ。

 世界経済の低迷が進む。その中、政治に中心が移る。安倍首相の軍国政治で、深刻な犠牲者にならない様、国民は目覚めないといけない年となった。

経済篇

 どう見ても、アメリカ金満資本主義(マネタリアン)の独り勝ちが進行する基礎が出来あがった。それは、金融緩和の利上げで出口が示され、原油輸出が認められたからである。日本はグローバルをはき違えている。アメリカ資本主義に服従する事ではない。グローバルとは、世界の経済の特有性を、共存共栄できる「多様性を認める社会」の事を言う。安倍首相の経済政策の失敗で、経済の混沌は制御不能となっている。誰が日本を守るのか?

社会(現代)篇

 現代とは何か?歴史的認識の歴史的緒パラメータの相互関係に、歴史的諸形態の「競合」「対決」「抗争」「侵略」などが、地球規模で、同時に起きる。つまり現在を思惟や、認識する方法のパラメータを見失っている。地球規模の政治、経済、文化は、同時に起きる混沌や、無秩序によって、すぐにわが身にはね帰って来る。

 「競合、対抗、抗争」は「多様性的現象」である。その多様性が瞬間に地球規模に浸透するのが、「現代」ということになる。ISのテロもその一つだ。民族、格差の不安定性も然りである。混沌、無秩序は益々深化する。

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