『孤独という道づれ』の終章
「彼女は、何も当てにできなかった。偶然さえも。偶然の無い人生と言うものもあるのだから・・・」(バルザック)で始まる『孤独という道づれ』岸恵子 幻冬舎 2019は最終章に現れる。
その前の章は、「鳴叫、法律!私の「独立記念日」」となっている。著者の娘が11歳の時に離婚。正真正銘の娘に日本国籍を与えてくれない理不尽い合う。結果、25年間フランスに住むことに決断しなければならなかった、と。娘は立派にフランス人として成長した。離婚協定は国境の違いで成立しない時代。日本を捨てた「独立記念日」。母親の「遺言公正書」も認められない法律に奔走すること19年。
最終章には、偶然の無い人生なんてあるだろうか」無慈悲な仮説は恐ろしい孤独だけが残る。「偶然とは非日常に現れる」と信じるために「何事も見過ごさない」ことだ、と説く。災難や心労、不幸の山積みに自分らしく生きるには案外「孤独」の晴れ間で、「限りなき自由」「心もとない、深いわびしさ」を味わうものだ、と回想。
<読書>『孤独という道づれ』岸恵子 幻冬舎 2019
もう少し「深刻な孤独論」かと思いきや、「老後の人生伝記」だった。老後になっても実にいろんな挑戦を試みる自由奔放な人生。「老人の恋(愛)と性」の『わりなき恋』(幻冬舎 2013年)、『愛のかたち』(文藝春秋 2017年)で披露。本著は、老いの人生を教えてくれる名著。
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