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2025年3月 2日 (日)

春闘の賃上げは「労働分配率」による

 3月に入り、春闘が始まっている。平成14年の安倍元首相からの各首相は「新しい資本主義」の経済成長(デ(フレ脱却も含む)は、賃上げから始まる好循環(購買力=需要)からで、と企業に賃上げを押し勧める他力本願の政策論を展開している。

 だが、政府が笛吹けど、企業は踊らない。企業はむしろアメリカの金融資本主義の株主優先主義を勧めている。その裏付けは、「労働分配率」の動向を見ていれば良く分かる。「労働分配率」とは、企業の利益に占める労働者の取り分である。国際的に大企業の落ち込みが顕著である。

 厚生労働省は、経済協力開発機構(OECD)のデータを基に、国別に5年ごとの平均値を算出。日本は1996~2000年の平均は62.7%だった。OECD38カ国中「4位」で、米国、ドイツ、フランス、英国、など主要先進国より頭一つ抜け出していた。しかし、16~20年平均では57.2%まで低下。38カ国中「11位」に後退。他にも、「労働分配率」は、賃金以外の社会保険料も含む雇用者報酬を国内総生産(GDP)で割って計算される方法もある。

 日本の「労働分配率」の低下は企業が利益を貯め込み、株主への分配、自社株購入などで、賃金に還元せず、内部留保に回すからだ。今日のように、多少の賃金が上がったとしても、物価上昇(インフレ)が続けば、経済の成長の好循環は無理である。

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