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2024年5月31日 (金)

ラピダス融資に政府保証

 ラビダスは政府肝いりで設立された最先端半導体企業である。IBMの技術を導入して、世界の先端半導体を日本から発信するとの目標であるらしい。IBMの半導体技術が世界の最先端を走っているかは、多くの議論が必要だ。日本に技術が無いのだから導入は仕方がないのだが。

 日本に技術者がいないからIBMに日本からポテンシャルのある技術者を送り込んで教育をしてもらう。200名以上は必要だが、現在、100名が教育を受けている。200名が集まらないからだ。(多くは製造技術者だ)

 すでに、1兆円ほどの政府融資を受けて、北海道の千歳市に工場が建設されている。2027年からの生産にはさらに5兆円ほどの投資が必要だと言う。民間金融筋は乗り気ではない。、政府は「政府が保証人」になる、と後押しを決めるらしい。

 実質、政府が投資したことになる。それ以外、半導体復興に4兆円もの保証金を決めている。問題は、誰が、どのような理由・目標で、政府は巨額な投資額を支援するのか?国民の税金を使う訳だから、少なくとも国民に内容を公開してもいいはずだ。、願わくは審議して欲しい。平成時代の失敗で何十兆円は税金で失った。

 ラピダスでは製造技術は最先端かもしれないが、どんな市場を狙った半導体か?使用目的は未だ決まっていない。AIを狙いたい、とは言うが果たして高度な回路技術者は何処から連れてくるのか?それともTSMC(台湾)の後追いの生産だけをする企業に専念するのか?今更。国民の税金を使うにもかかわらず、多くの国民は理解していない。これで良いのか日本は。

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2024年5月29日 (水)

NHK朝ドラ「虎に翼」

 NHK今期の朝ドラ「虎に翼」はボケ爺の年代に沿う。「虎に翼」とは「鬼に金棒」と同意の語彙らしい。

 主人公橋爪寅子の長女とボケ爺と同年になる。ボケ爺は次男ではあるが。寅子は私の父、母の年代とほぼ同じ、と言う事になる。母も勤め人で、「辞めなくてよい」、と言う事で結婚したらしい。だが、チョッとした噂に巻き込まれ、夫(我が父)の逆鱗に触れて勤められなくなり、家庭にこもり、食糧難から畑仕事に精を出し、農業を一生の生業にしてしまった。ある意味可愛そうな一生だっただろう。

 ボケ爺は、朝、畑に行く母のモンペを握り捕まえて、ヨチヨチ畑に通ったことを今になって懐かしく思い出す。畑で虫やミミズを捕まえて遊んでいたこともうすうす思い起こせる。

 これからの朝ドラの行く先が気になる。特に寅子の長女が母親の寅子とどう絡むかによって、我がボケ爺の自分史との類似点が出てきて過去を思い起こせるか?興味がある。だが、都会(寅子の長女)と田舎(ボケ爺)での生活はおのずとズレることになるであろうが。

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2024年5月27日 (月)

間もなく「傘寿(さんじゅ)」

 今朝の朝ドラ「虎に翼」の終戦1年前の昭和19年の日本全土への大空襲の話が出てきた。ボケ爺の誕生は昭和19年6月である。食糧難の時を無事、今まで生き延びている、と少々感傷にふける。

 今年、満80歳になる。「喜寿」と近いことからあまり有名でないが「傘寿」を迎える。これも、3年程前かTVで、喜寿から85歳までの間に親と話をする時間は年々減って、8時間にも満たないだろう、と。その時はあまり気にしなかったが、気にした。

 一方、我が子供たちとの会話が極端に減ってしまっていることに気が付いた。だが、それを改善する気にはなれなかった。実は、ボケ爺も、親父が危篤と聞いた時に、それまで3~4年間は電話でも話をしていなかった。お袋の時は、入院していたので、1年に2回ほど、30分ほどの面会だけだった。理由は、自分自身、勤めと子育てで精いっぱいの生活だったからだ。こんな状態は代々同じことを繰り返す。仕方がない。

<読書>『父の詫び状』向田邦子 文集文庫

誰の推薦だったか失念したが。早々に読み進める。小学校時代から成人するまで、ここまで父との関わりを記憶してのかと。ボケ爺も小・中・高校時代を思い出せばメモにすることにしたが、思い出せることが無い。父だけの思い出は、その背景、情景を織りなし、機微に富んだ愛情ある語り口に驚く。膨大な父との思い出に感服。

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2024年5月25日 (土)

NVIDIA、AI半導体「1強」

 米半導体大手のNVIDIAの2〜4月決算で売上高が3.6倍(260億4400万ドル)に伸び、純利益が前年同期と比べ7.3倍の148億8100万ドル(約2兆3300億円)、と22日に発表。 アメリカ株価は一気に最高取引額となった。

 市場予想を上回り、人工知能(AI)向け半導体の需要の強さを示した。NVIDIAは一早いAI向け半導体の先駆者でなる。

 インテルは命令形プロセス中心の「CISC型CPU」だ。又、同様だがプログラミング言語の違う「RISC形CPU」も強かった。これらのCPUはコンピュータの伸びに比例する。今は停滞している。スマホなどはGPU型チップが中心。AIチップもこのGPU型チップが中心だ。GPUの歴史は古い。先駆者は半導体大手のTI社だ。だが、スマホが現れるまでは、CISCとの互換性にいじめられ、中々、目が出なかった。

 そう言えば、ボケ爺が活用したRISC形チップの低電源駆動にして再登場もありうるのではないかと、期待している。その分野は「自動車や、ロボット制御コンピュータ」のCPUである。半導体技術はまだまだ創造性に富んだ技術分野だ。日本初の半導体技術が生まれることを祈る。

<読書> 『絡新婦の糸』中山七里 新潮社

「警視庁サイバー犯罪対策課」との副題。今日はネット社会。SNSで、バズれば、収入も得られる。食レポ、旅レポなどは愛嬌。だが、誹謗中傷、企業の倒産助長、等に至れば犯罪である。本著は、冤罪や、旅館経営を窮地に至らしめ夫婦が自殺。この首謀のアカウントを調査。にたどり着いた先が、署内のキーマンだった。

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2024年5月24日 (金)

円安止まらず、何故?

 日本の長期金利(国債)が1%まで上昇。だが、円高に転じず。何故だ?ほとんどの「経済スペシャリスト」の曰く、日本の異次元の金融緩和が解消すれば円安は止まる、と。だが、止まらない。

 この現象から、スペシャリストは「アメリカとの長期金利が開きすぎだからだ、と。発言ニュアンスを変える。これでは、日本の経済スペシャリストは風見鶏。安倍元首相、岸田首相の弁と何ら変わらない。これは「日本の思考未熟性」によるのだろうか?

 日本は「反省から新理論を構築する」を捨てている。島国の同一民族であるから、過去のことは出来れば曖昧にし、激論を避ける。だが西洋のように大陸の異民族との戦いでは、論理が明確でなければならない。よって、過去からの歴史分析が重要なテーマとなる。

 日本の経済政策スペシャリストは、一体「グローバル時代の経済政策をどうしたい」と思っているのか?政府、日銀、国民も加わって公開討論会をしてほしい。

 当然、産業復興政策の今の補助金がどうして決まったのかの理由も、国民に理解できるように説明、討論できる場が必要だ。一部の官僚で仕切られては国民を愚弄した、無視した国政だ。

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2024年5月21日 (火)

レッド・ロブスター倒産

 ボケ爺が開発した製品のアメリカビジネスに参入した時、あまり売れなかった。事業部長は「開発責任者が自ら売りに行って責任を取れ」と叱責を受けた。販売促進部の上司と一緒にアメリカを行脚した。販売促進部の上司は、アメリカビジネスを成功させるには、先ず、「アメリカ飯を抵抗なく食べることだ」と教育された。

 販売支社はボストンだった。先ず、2つの薫陶を受けた。「二匹のロブスターを美味しそうに食べること」と「焼き肉を食べきること」。ボストンのロブスターは、アメリカでは有名だ。バター油に付けて食べるのだが、2匹目になるとそのバター油を漬けてロブスターは喉を通らない。漬けなければパサパサでこれも喉が通らない。

 今日では、醤油は常識になっている。飛行機の食事の醤油を貰ってレストランに持ち込み、店にお願いした。それからは、2匹は美味しく満足。大衆向けのロブスターのフランチャイズが、「レッド・ロブスター」で、アメリカ全土に広まっていった。そのレッド・ロブスターが、倒産とは残念だ。

 一方、焼き肉店の名前は忘却した。日本にも進出したが倒産。上司の薫陶は「プライムリ」の12オンス以上だった。生肉のような味であった。セイゼイ6オンスが限界だ。「ダメだ、ダメだ」と叱られた。

 そんな懐かしい思い出が夢に出てきそうだ。アメリカだけではなく、世界各国で、食べ物とビジネスの失敗を思い出す。ア~懐かしい。エッセイを書きたい。

<読書> 『夢ノ町本道り』 沢木耕太郎 新潮社

「ブックエッセイ」。書籍にまつわるセッセイ集。生地の仕事場近所の古本屋、貸本屋を漁って、読みふけった幼少から本の虫である。今の住まいには本屋が無い。過去の本の評論、エッセイの整理と、影響を受けた作家、著書などの紹介。本好きのノンフィクション作家の回想録。

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2024年5月18日 (土)

亡国「異次元の金融緩和」に怒り

 日本経済の価値を下げて「亡国に導いた」アベノミクスと日銀(黒田総裁)による「異次元の金融緩和」に怒りを感じる。

 日本経済が世界で戦える「製品の価値向上と価格改善(原価低減力)」が整ってきた時に、企業決算方式をアメリカ方式に改定(「短期決戦方式」)し、家電や、自動車、半導体などに政府補助金を積み込み、「日本の製品価値力」をそぎ落としてしまった。その財源は異常な債権(国債)を毎年積み上げて未来に禍根を残している。

 『デフレではなかったのだ』、日本に「世界で戦える力」が育成されたのだ。だがデフレだと誤解したか、はじめから仕組んだのか?で異次元金融緩和政策で、市場にカネ余り(ジャブ漬け)にして、株価だけを上げて、さらには政府補助金と言いバラマキ。そのバラマキ下請け(ゾンビ企業)を野放し、そのゾンビ企業から政府はキックバック(裏金)で受け取り私服を肥やしている。

 今日では、物価上昇で、異常なインフレになっている。消費力は下落。ここぞと世界は、日本を円安潰で苦しめる。その代表がアメリカだ。アメリカはさらに日本の軍事費を増やさせて、吸い取ろうとしている。

 カネ余りの株高、内部留保の企業体質、インフレで消費減、で日本のGNPは増えない。亡国策士の政治家や、官僚は、今だけ良ければいい、「未来は知らない」、との無責任者である。

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2024年5月16日 (木)

京都、先斗町にて

 13日の元企業の戦友会で息抜きが出来た。その翌日は、元企業の役員をリタイアした若手だった彼と新大阪のマリオットでランチを共にした。元の企業の経営上の課題など議論したが、ボケ爺の考えと不思議に一致して、良い会談が出来た。

 その後、顧問をしている企業の打ち合わせに出席、事業動向の議論をして、厳しい事業動向に悩みを共にした。その後、京都で会食をしたいとの申し出があり、喜んで便乗した。8時半ごろの新幹線でも十分に帰宅することができるからだ。

 場所が、先斗町の鴨川の桟敷席で食事をセットされていた。14日は前日嵐のような雨も明けて快晴に恵まれていた。鴨川の両サイドは夕涼みの散歩の人々でにぎわっていた。それ以上に驚いたのは、あの先斗町通りの狭い通りが歩けば人にぶつかるほどの大混雑だ。それもほぼ、外国人。両サイドの料亭は、満員で賑わっているのか。

 京都駅までタクシーで送ってもらったが、運転手曰く、明日が葵祭(京都の3大祭りのひとつ)の前夜で時に外人が多いと言う。それにしても、東京の浅草の比ではない。インバウンドで稼ぎ時か。

<読書> 『愛がいない部屋』石田衣良 集英社

愛、恋、不倫、夫婦とは、を女の立場から性欲を絡めて考える10篇の短編集だ。「愛がいない」とは愛を擬人化し、愛がいない状態で性欲を満たす欲望は正常なのか異常か当然なのか?男性ならそこに名誉、金欲がさらに絡んで、性欲を正当化してしまう風潮があるが。ジェンダーの本能を問う。ボケ爺の思考できる範囲を超えている。

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2024年5月15日 (水)

大阪で戦友会

 13日の夕刻、ボケ爺が転職した企業の戦友と会食。夕方には大阪では、雨は上がって、ビヤホールからの眺めは夕焼け、となっていた。だが急に冷え込む。

 久しぶりの戦友たちの悪口の盛り上がりは昔を益々思い出させ、懐かしさが増す。一線を退いた安心感と、行先の健康不安で病歴をご披露する戦友は後期高齢者の仲間入りでいい年になっている。また会おう」と言いながら分かれたが、再びの戦友会は無いだろうと悟っているようだった。

 大阪の街は少しずつ変わりつつあった。新しい高層ビルが増えた。JRの駅内は、東京ほどではないが売店が増えていた。だが、活気は今一で、神戸淡路大震災のからの完全復帰は未だ、尾を引いているのだろうか?

 至る所で、大阪万博の宣伝が繰り広げられている。マスコットチャラクターは、はしゃいでいるが、今一人気がなさそうで、寂しそう。

<読書> 『ベッドの思惑』田辺聖子 集英社

おばちゃんの井戸端会議の会話はとても愉快だ。こんな井戸端談議を語れるのは、この筆者以外いないだろう。大阪の旅の友、報復絶頂の気休めに最適だった。半日で読み切った。

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2024年5月11日 (土)

呪われているか、太陽の大爆発

 今日までの3日間は、雲一つない晴天が続いた。つつじヶ丘の甲州街道から見える富士山も不思議に美しい。この間、太陽の大爆発が起きたらしい。1991年以来だと言う。地球では磁気嵐が起きている。すぐに影響が出ているわけではないが、電波通信に何が起きても不思議ではない。飛行機の通信に影響が出れば大事故が起きる。又、医療の現場(医療機器)でも大きな事故が起きるだろう。

 2000年から今日までは、太陽の活動は小さかったようだ。この状態では地球上の気温が下がる、と言われていたが、上昇しているので、何か太陽の活動に、今まで無い状態だと研究者の中では不思議、との噂があった。この一年から、太陽の活動が活発になってきた。さて地球ではどんな変化が起きるのか?

 北極の氷解に関係があるかもしれない。火山活動が活発になっていることも関係があるだろう。日本では南海トラフ地震よりも、都心直下型地震の方が早まる?それよりも富士山の大爆発が早まることが優先するのでは、とボケ爺は思っている。

 太陽の活発な活動が続けば、フィリッピン境界エッジの海底火山の活動からして、海水温の変化が平年と違う。今年から20年の間に日本は大災害(水害、火山、地震)に見舞われるだろう。

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2024年5月10日 (金)

実質賃金3月2.5%減

 岸田首相は、賃金上昇に成功した、と自慢している。だが、昨日の厚労省の発表によれば、3月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、1人当たりの賃金は物価変動を考慮した実質で前年同月比2.5%減だった。減少は24カ月連続で過去最長。物価高(インフレ)に給与総額の伸びが追いつかない状態。

 立ち食い蕎麦もワンコインでは食べられない。ハンバーグも、細かく値上げを講じている。最低メニューでもここ2年間で40%の値上げだ。ラーメン次郎も値上げした。勿論、スーパーの商品も巧みに値上げして、魚、肉類、牛乳、調味料、缶詰も30%以上も値上げだ。あげればきりがない。これでもインフレとは言わないし、手を打たない政府、日銀。国民は良くもここまで我慢する、とボケ爺は感心している。

 日銀は国債を買いすぎて、異次元の金利抑制で、市場はジャブジャブのカネ余り。れで株価が実力以上の高騰。世界各国はこの時こそ日本を叩こうと円安誘導。誰がこの異常を抑えられるのか?日本の異常な債権額でIMFの介入までほったらかしか?クワバラ、クワバラ。

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2024年5月 7日 (火)

方丈庵記(父と母の夢から)

 ボケ爺は一人暮らし。メールで仕事をしている。毎日のことではない。人と話すことはほとんどない。声がかすれて出にくくなる。コンサルティングの仕事は一方的で、議論をやり合うことは無い。

 だから「夢」は仕事の内容は殆んどない。今朝は繰り返しの夢で、親父やお袋から何を教わって来たか?親父とお袋は、このボケ爺のことをどんな子供と期待していたのか、思っていたのか?

  親父から、「お前はバカだから、故郷の地元の下請け製造会社の課長ぐらいにはなって欲しい」が口癖。夏休みの帰省時、地元企業の実習(アルバイト)の申し込んでいて、勤めに行かされていた。200円/一日程度だった。お袋からは、「勉強しないなら母の畑仕事を手伝いなさい」、 と怒鳴られていた。

 さて、死期が近づいたボケ爺の娘と息子は、この親(ボケ爺)をどう思っているのか?今更では無いがこんな回想が枕元に湧きだしてくる。格別に親子としての思い出の薄い人生であったのか?子供教育に疎かった家計だったのか?反省!

<読書> 『風化病棟』帚木蓬生 新潮社

著者は精神科医師でもある。人の心理と病気の治療など、人間の精神の造形の深い作家である。何冊かの著書を読破して、人間の弱さ、医療の無常なの洞察を教えられてきた。今著は10篇の医療で起きる悲劇に人の温かみをまぶしチャーハンのような味わいを彷彿とさせる作品となっている。まだまだ人味は愛しいと反省しきりだ。

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2024年5月 5日 (日)

方丈庵記(クレマチスと夢)

 後半の連休の3日間は雲一つない快晴に恵まれて、富士山も3日間見ることが出来た。多分、非常に珍し事なのだろう。さらに気温も夏日が続いている。ボケ爺も爽快だ。

 散歩の途中の洒落た家の庭に鉢植えの青色のクレマチスを見た。旧我が家の玄関口には、このころ満開になり楽しんだこと思い出す。早々に旧我が家が、どこまで解体されたのか、見学に出かけた。奥は囲いがあってよくは眺められなかったが、玄関口はまだ解体されていなかった。そこにクレマチスの薄青色の花弁を思い切り広げて、太陽光に浴びていた。満開だった。懐かしく50年ほどの回想に、しばらくたたずんでいた。残念なことに深紅のツツジは散っていた。ピンク色の大木ツツジの半分は散り急いでいた。まるでボケ爺のようだ、と苦笑した。快晴は今日までか?

<読書> 『明恵 夢を生きる』河合隼雄 京都松柏社

「ながきよの夢をゆめぞとしる君やさめて迷える人をたすけむ」(明恵上人歌集)にあり、明恵の「夢記」の基礎。60歳で没した名僧。特段に「夢に拘った」。法然、親鸞、道元、日蓮、等。平家から源氏、北条へと権力の座が変わる時代。その「夢記」はフロイト、ユングの心理学に参考となす。ボケ爺はイノベーションの発想に「夢」が関係する、と確信している。ボケ爺の結論は「現実の事象と夢の無意識の弁証法的対話」ではなかったのか?に至った。

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2024年5月 4日 (土)

方丈庵記(歴史は繰り返す)

 快晴の連休の中日。ルチーンの散歩に出かける。途端に、救急車2台がやって来た。どうやら一台は無駄であった。一台に運ばれたのは、若いご婦人。多分、信号が青になって駅へと渡ろうとした時。お年寄りが乗った電動自転車がぶつかったのでは?救急車の職員は「頭を打っていないか見てもらおう」、と。お年寄りは、盛んに謝っている。

 午後は、マクドナルドのドライブイン店の前で、お年寄りが電動自転車で転んだところに、出会った。それをご婦人2人が介護している。駐輪場から出て、自転車にまたいだところで転んだ、と言う。立ち上がっても足腰がふらついている。救急車を呼ぶことにした。

 今日の本題は、NHKの朝の放映で「歴史学者・磯田道史」の「歴史は韻をふくむ」である。歴史学者の幼少時代、いかに歴史が好きになったかを語る番組だった。ある意味平凡であったが。「これからの日本は」の質問に、3つの重要な指摘があった。

  • 歴史(事前災害も人的出来事も)は繰り返す(螺旋状のように)。その時必ず韻(止揚)を含む、と。ボケ爺の一生の研究課題の「弁証法的唯物論とは」、である。ボケ爺は、技術科学、製品開発、イノベーションでの研究だが、磯田氏は歴史そのものが弁証法的唯物史観だと言い切る。ヘーゲル万歳!
  • 「カラダを使って体験して覚える」。そこには「一つの答えではない」「多数の答えがある」ことを知れ!
  • 多様性の時代を求めるが、多様性とは、「1つの製品を作るにも、分業で特異な部分を一生作り続ける社会であろう」、と。江戸時代の、筆の筆記の世界、版画業、着物世界、等を言わんとしていた。

 NHK渡邊アナの笑いが魅力的で、「磯田歴史学者の口が軽くなる」。名アナだ。

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2024年5月 3日 (金)

方丈庵記(読書;その世とこの世)

 朝から雲一つ無い晴天。散歩もウキウキ。それも昨夜読み終えた不思議な本に酔っているからだ。

<読書> 「その世とこの世」谷川俊太郎、ブレイディみかこ(岩波書店)

よくある鼎談ではない。ボケ爺はグズグズ2人で言いたいことを言う鼎談は全く嫌いで興味は無い。あるは、テーマごとに個性だか何だかで、アルパートを担当する対談も嫌いだ。それとは知らず、この本を手にしてしまった。だが驚いたことに、最初から、断りがブレイディみかこ氏から述べられて始まる。先ずは、面識がない。「私は詩人と言う言葉とは最も遠いところにいる地べたのライターで・・・」それに対し、谷川氏は「ブレイディさんの現実的実際的で明快なに、詩の朦朧体で返事をする・・・」

 生きること、老いること、孤独なこと、住む土地柄の暮らし、等のライターらしき紀綱に対し、詩人谷川俊太郎氏は適格に「詩」で答える。ボケ爺は戦慄を味わう。

 通奏低音として、この世(This World)とあの世(That World)だけではない「その世」(Somewhere in between)が存在する、が貫かれている。(谷川氏の返事に、この世とあの世のあわいにその世がある・・・と返事を) 

 漱石の「思い出す事など」を引き合いに「漱石調」の詩で返事(死に先立つものとして詩がある。詩に先立つものとして生があると考えた・・・・自然の現場は無口だ・・・)

 「午後」(ゆっくりと大股で歩きながら世界を見た、世界は緑色だった、いや黄色だった、世界はカラフルに壊れ恥得ていた・・・・なにも意味したくない午後、言葉を留保する)

 「目の前に在る物」(椅子に座って目の前に在る物の名を読んでみる・・・・ほとんど使っていない、言葉は拡散し始める、世界はどんどん形を失っていく)

 もっともっと深い思慮が続く。2人の対話は宙の中で絡み合っていく。素晴らしさが続く。

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2024年5月 2日 (木)

方丈庵記(読書)

 方丈庵での過ごし方に一向に改善が見られない。本来やるべきことがあるのだが、それには手が付かない。残念な毎日だ。だが読書は出来ている。

<読書> 「列」中村文則 講談社

誰もが、高度経済成長の流れに乗るために「列に並び人生のレール」に従う。ある列に何時から並べばいいか分からないが、その列の地面には「幸福であれ」と書かれている。列の前後の人物を観察すれば山ほどのケチや不安が募るが。第二章では、生物学者のサルの研究論文比較。二ホンサルの「自然な群れ」と、「動物園(人工)の習性」の違いを。チンパンジーも加えて「餌」と「セックス」の考察。カミュの『転落』からメス社会が平和だ、と。列から離れて「疎外個体」となる、とカフカの『変身』と対比し、各自には先行きの「整理券」の示唆がなされている。兎に角、難解なフィクションだ。

<読書> 「異人たちとの夏」 山田太一 新潮社

どこかで面白い、との解説からこの古い本を手にした。どんな脚本家?読み始めた。妻と息子と別れて4年が経つところかミステリーが始まる。異人とは、死亡した父、母との回想と思いながら、「こんなことだったのか!」と。両親との生活を想定。ボケ爺もそう言えば、親父、お袋とどんな話をしてきたのだろうと回想。親父やお袋は「僕のことを、どう思っていたのか?」。逆に親父と、お袋と「何を話していたのか?」をも思い出せない。これが親子の一生か?深く考えさせられる。

<読書> 「チッチと子」石田衣良 毎日新聞社

売れない小説家と息子の慎ましくも愛おしい日々。妻は本当に車の事故だったのか?自殺ではなかったのか?と事故で亡くした妻を忘れることが無い。妻の親、取り分け母上は再婚を進める。そんな中、息子の食事造り、選択掃除、と家庭を切り盛りしている。10年も続けている小説は、初版どまり。だが、直木賞にノミネート。賞には落ちたが評価は良かった。次の小説も引き続きノミネートされ賞を頂けた。妻が事故だったことが家族への感謝の遺書に心もスッキリ。息子が父(チッチ)が大好きで生意気な口答えをする。小説家、出版社仲間の支援もあり、思わずもらい泣きできる素敵な小説だった。

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2024年5月 1日 (水)

方丈庵記(八十八夜の冷雨)

 5月に入った。連休の合間である。昼食を終えて、方丈庵の東の窓から見えるケヤキの大木の街路樹にわずかな風に揺られる新芽に降る冷雨は振り落とされて路面の水だまりに波を立てている。

 円安は続く。岸田首相の新しい資本主義は正しい経済学の王道か?と疑問に思う。物価は超インフレ(15~40%ほど)だが、統計上は3%程度と宣う。植田日銀総裁は、輸入品での物価上昇はわずかだ、と言う。輸出品で成りたっていた日本の経済成長は、現地で高価になり売れなくなることは明らかだ。世界(特に米国は)は日本の経済をここぞと弱体に加担する、その結果、日本の企業体力が弱体化しているのだ、ボケ爺は思う。観光インバウンドだけでは、債権の埋め合わせには程遠い。

 日本企業の衰退は、竹中平蔵が起こした「米国式経済の輸入」を押し付けたことだ。さらに「企業経理(決算)も米国式を導入」し、自己資本低い日本、3か月期ごとの決算での株価を評価で苦しめた。経営者は経営にナーバスになり投資から企業内貯蓄・留保に走ってしまった。

 さらに竹中平蔵は社員を、非雇用社員化を推し勧めた。それでそれに、いろんな政策企業(ゾンビ企業)の顧問を兼務し横流しで懐を蓄えた。政治とカネではきわどい悪事を働いた、と思う。ミサワ事件も有名なダーティな事件だ。

 繰り返すが、今日の政治、政策のダーティな振る舞いは竹中平蔵流儀であり、今日の政治・政策の没落は竹中平蔵から始まったことは確実だ。

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