催花雨(さいかう)
東京は昨日から冷たい雨が降り続けている。桜の開花は早いとの天気予報を裏切り、もう少しかかるだろう。その開花を促す雨のことを「催花雨(さいかう)」と言うらしい。なるほどサクラの開花を促している雨にぴったりの命名だ。
昨日は、長い散歩を試みたが、自宅前で、歩行速度をコントロールできなくて転んでしまった。おでこ、頬骨、脛、手の甲を打って結構ショックであった。だが多くの血を見ることなく死んで一安心。やはり、脳出血の後遺症は治らないモノだと、無理を反省した。今日は少々おとなしくするつもりだ。
<読書>
「君がいないと小説は書けない」白石一文 新潮社
主人公は、今は作家であるが、40歳まで出版でサラリーマンをしていた。自分自身をしることは、多くが先輩同僚の死に直面した時に。同僚の不幸話の告発からである。双眼鏡のピントが合うか、ボケているか、そこに人生観が判明しる。自分は妻子に逃げられて離婚も出来ず、若い恋人との関係を20数年間共に生活している。その間の他者との分析、関係からヒントを得て自叙伝的な小説を書き作家業をなしている。ひょんなことから、その恋人が浮気しているのではないかと疑問に、元編集者のM女に調査を頼んだが、その返事が必ずしもすっきりしない。だが、小説を書き続けるにはその恋人と生活するしかない、と割り切る。死史観的哲学アリ、人間関係からの自己分析法アリ。波乱万丈の奥深い人間関係論である。
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