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2019年2月18日 (月)

イノベーションの効率化?(その2)

 イノベーションの重要性は、世界共通の課題である。だが、 世界経済フォーラムが発表した2017年版の「イノベーション能力」について は、14位から21位へと大きく順位を下げる結果となった。その原因は?

  高度経済成長期以来、日本は欧米先進国 への「キャッチアップ」(目標があった)を志向する中で、「効率と品質」を追い求めてきた。1990年代前半のバブル崩壊後は、無駄を省いて短期的な業績や成果を追求する姿勢を強めた。その結果、「過去にないことを独創したり、多少の無駄を承知で試行錯誤したりするような、創造性に不可欠な「思考態度の後退」が起きた。つまり「思考停止」現象である。

 「すべての事業・製品・サービスの目的、それが豊かさ、幸せ、快適、感動」である根本的な問いを考え抜く思考態度こそが、AI時代の人間に必要な思考力である。それは人間学であり、哲学である。

 「あらゆるスポーツや、芸術は、頭で理論を覚えただけでは出来ない。何度も繰り返す訓練が必要だ。フィギャスケートの紀平嬢の様に練習の虫が、本番で臨機応変に演目を変えることが出来る。不思議ですよね。そう訓練以外に方策はない、と思う。創造も同じことで、違和感や、感動が何処から来るのか?毎日、毎日の「思考鍛錬」を積み重ねて、五感全体で応答できる「哲学体質(Why)、芸術体質(What)」を教育と訓練をしなければならない。と、ボケ爺は考えるのだが。即物からは何も生まれない。

<読書>

世界経済大いなる収斂」リチャード・ボールドウィン 日本経済新聞出版社

このような技術革新の歴史書が、創造性の思考訓練に役立つ、と思う。直接の創造性の教えは無いが、物のとらえ方、味方が、心地よく伝わる。感動がいい。さらに読者は、そこに、「何故か?」を付け加えるからだ。

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