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2018年12月 8日 (土)

紅葉に十色

 今日も残っていた庭の剪定作業。高さ70cmほどの小木の早咲き椿が二輪咲いている。残念ながら、一輪は、首から落下している。口を細めて突き出した少女の様な、茶目っ気の形をしている。単衣で、ピンク色である。根本がやや濃いいピンク、外環に行くほど淡いピンクに、美しいグラディエーション。夏場の夕顔の様だ。源氏物語の夕顔をも想像させる。

 実篤公園の落ち葉のジュータンの道を、枯れ葉を足で踏みこむと、乾いた音が聞こえる。その枯れ葉を一枚、一枚、拾っては、太陽に当ててみる。その色の複雑さ。形の複雑さなど、多様である。これが生物の多様性の世界か?

 都内のイチョウの紅葉は、集団では黄色の単色に見える。だが、一枚一枚は全く違い色であり形だ。今年のイチョウの葉は、昨年よりは小さい、と言う。又、台風襲来の潮風で、少々淵が汚れている。

 サラリーマンを生きて来たボケ爺の人生も十色であった。仲間も十色の人格を確認して戦友を組み立てて来た。思い出す顔もちらほら。

江上剛の作品に「人生、七味あり(人生七味とうがらし)がある。ボケ爺の言う十色は、恨み、つらみの「七味とうがらし」ではない。人はいろいろ、多様性の十色のことである。

<読書>

「妻恋坂」北原亜以子 文芸春秋

江戸市井の艶っぽい話、女心の艶っぽさ。男意気に女の艶が恋を生む。恋心、艶にも、色々。江戸には、恋を生む坂がある。淡い恋心が、坂で燃えたり、冷えたり。忍ぶ恋に悲しさや。筆者の細やかな筆致で描き出す恋の十色。

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