オノマトペ
ボケ爺は狂ってきている。昨年、生後150年の漱石の研究をしている。技術家のボケ爺が狂ったのだ。その中で、漱石が晩年、目を付けたのが、芥川龍之介であり、中勘助であり、一高から東大まで、漱石を恩師としていた。
漱石は、朝日新聞に「銀の匙」を推薦して、連載させた。ボケ爺は、大昔、中勘助の生きざまの本(その本は失念した)が出た時に読んでいた。銀の匙そのものを読んだわけではなかった。
銀の匙は、オノマトペのてんこ盛りだと言う。だから、文章に含みが出てきて幅の広い情景が、良く浮かぶと絶賛するのが、「三色ボールペン」「声に出して読みたい日本語」で有名な「齊藤孝」明大教授である。
オノマトペとは、擬音語、擬態語であり、繰り返すことのようだ。ぼちゃぼちゃ、とか、ぶうぶう、とか。ひょんひょん、ぱっぱつ、ぴょんぴょん、ゆらゆら、ふわふわ、しんしん、ぷりぷり、じゅうじゅう、ぱきぱき、などキリが無い。
詩人の中原中也や、宮沢賢治、などが、多用したようだ。体験を音で伝えることは、解ろうとする範囲が広がる、と言う。最近のTVのグルメ番組など、これに相当するのか?
銀の匙の中の、姉の動作で、「顎がふくふくとうごく」と人柄を表現している。確かに、「穏やかで親切な人」と言われるより解るような気がする。目がくるくるまわる、とか。ほたほたとしずくが垂れる、など。日本語は面白い?日本人でありながら日本語が分かっていない、と、「つくづく」後悔する。
<読書>
「娼年」石田衣良 文春文庫
女が男を求める。そのホスト(娼夫)として無気力な大学生(リョウ)が、女性の色欲の多彩さをこなす。それを通じて、男と女の不思議さ、と純愛の恋との狭間を描く。4月に封切になることで、読み返されているらしい。
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