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2017年5月 6日 (土)

漱石は現在作家?

 120年ほど前に作家として活動し始めた夏目漱石は、死後100年になっても現在に課題を投げかける現役作家である、と確信する。

 鴎外や、樋口一葉は同時代の小説家であるが、辞書が無ければ読めない程、現代文に違和感がある。しかし、漱石は、ほぼ辞書が無くても読むことが出来る。それは、漱石が、今日の日常の日本語の基礎と作ったからだ。文章を短く区切る。会話は鍵「」で括る。

 日清戦争の勝利で得た勝利金で日本は豊かになって来た。各省庁から、海外留学を始めた時、文部省から漱石は選ばれた。その時の同期は全てドイツに行ったが、漱石だけがイギリスだった。ドイツ帝国は民族主義、それが民族統一に役立つからだ。

 大英帝国は、産業革命の発祥の地であった。身分の格差もはっきりしている。漱石は、その経済の発展と格差拡大の「矛盾」に一生悩み続けた。漱石の帰国後も日露戦争の勝利においても、貧困の格差は拡張するばかり、引き続き第一次太平洋戦争に突入してしまう。

 漱石の偉大さは、その様な社会矛盾を「外から日本を見、内から英国を見る」と言う、真摯な志を持っていた。

 ダーウィンの進化論を勉強して、「自然淘汰=優勝劣敗」の社会を自然主義と捉える風潮の中、キッドの「社会の深化」「西洋文明の原理」、マックス・ノルダウの「退化諭」を学ぶ。これらの説は「文明が発達すれば人間は退化する」との主張に、イギリスの社会を分析し、強く感銘する。(倫敦消息、倫敦塔)

 今日の日本は如何だろうか?未だに「経済成長」第一主義である。国民は、本当に幸せになっているのだろうか?真の文明、文化が育っているのだろうか?と漱石は今も訴え続けている。そこに「矛盾」「二律背反」の悩みが続く。

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