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2017年5月14日 (日)

時代の変化が読める?

 前回の読書で、「北斎まんだら」で、葛飾北斎の晩年の浮世絵への執着に心惹かれ、「ヨイ豊」梶よう子 講談社を読む。

 江戸晩年の黒船襲来から、江戸が東京となる明治中期までの歌川一族の、人情物語、特に豊国仲間の「歌川の築き上げた浮世絵」を守ろうとする「大義」の泣き笑いの人情を描き切った傑作である。歌川広重一族、国芳一族、豊国一族達が、「江戸絵」の花を咲かしてきたが、明治維新改革が起こり、江戸が東京に変わった。

 当然、印刷技術は西洋から入り込み、機械化が進んでいった。又、絵画も、西洋の油絵がもてはやされる時代と変化していった。その為に、版元から、絵師に、彫師へ、摺師と分業化された江戸絵の世界は、失業、廃業も含め、大幅な変化を強いられた。

 これらは、バブル崩壊後の、日本の失われた20年と重なる部分がある。社会の変化に何処まで追従していいのか?その変化に乗れるのか?守るとしたらどんな大義の下で、何を守らなければならないか?に結び付く物語である。ビジネス本として、示唆に富んだ重要な、貴重な作品である。バブル崩壊後の経済は不景気から、と言うけれど、そうではなくて経済構造の変化の複合体である。残念だが未だに、日本の経済界は気が付いていない。

 歌川一族は、明治中期には、芸術機構(美術学校、画壇、等)を作り出し、西洋の美術界にジャポニカブームを創造した。美の捉え方に、西洋と浮世絵の源流を一緒にして、「どの様に表現するか?」に崇高な価値を作り上げた。

 現代の日本は、明治維新時代の、歌川一族の「江戸絵」は「守りと、攻め方」の生き残り方に学ばなければならないビジネス指南の手本である。その勉強の面白い教科書が、この本である。

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