漱石の妻
NHKの土曜ドラマ(午後9時)の「漱石の妻」の全4回の放映が昨日終了した。素晴らしく、良い出来であった、と思う。実に忠実に再現されている。元ネタは、「漱石の思い出」で、妻、鏡子と、長女の夫、松岡讓の筆録という。ボケ爺は、この本はまだ読んでいない、ので、この感想は言えない。しかし、
「漱石の妻」鳥越碧 講談社 を、二度程読み直していた。この内容と実に似た展開であった。
漱石の妻は、ソクラテスの妻と同様に「悪妻」との悪名が高い。本当にそうか?女流の本著者が、同じ女性としての見方から、見事に「漱石の妻、鏡子」をあぶりだした。
明治の時代からすると、鏡子は、結構オープン(漱石曰く、自然児)な人だったようだ。現在の男女平等までとは言わないが。漱石は、同僚、教え子や、若者物などの出入りが多い。それを受け入れていたことは良き妻であったはずだ。しかし、漱石は、外向きの顔はいい人であった。だから来訪者は、妻の対応が気に入らないのだ。
この著書は、男と女オープンな会話、否、夫と妻の、妻から見た、良い妻とは?の悩みの実態が生々しく描かれており、実に考えさせられる。外からの目、夫の真実など心は解らない。信頼が相互に得られない。これっポッチも理解し合えていない人間の心の葛藤がリアルである。知れば、悲しいかな。
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