続・悩む力
今日は、今年も後半期に入った。梅雨前半で、既に、災害が発生している。7月の中旬から後半で、どこかで災害があるだろう。それが無くして梅雨は明けない。原発も再会した。福島原発の廃炉の方法、手順も決まっていないにもかかわらず。
姜・サン・ジュン氏は、「悩む力」の続編の「続・悩む力」を発表した。前編と同じように、夏目漱石に、今日の悩みの根源を、洞察されている、と言う。漱石の悩みは社会営みの変化の中に、自分として苦悩が生まれる、と言う。都市化社会は、共同体から、個人化(個人主義)社会にとなる。その個人主義の、孤独が、悩める根本だ、と言う。
漱石の「悩みの種」は、①お金、②愛、③家族、④自我の突出、⑤世界への絶望、となっている。今日の社会は、「市場主義崇拝」が、考えの基本に「お金」があり、お金で全てを還元できる、と言う。自意識は、自分探しであり、他人との関係でしか、見いだせるモノではない。他人は、自分を苦しめるために存在している。共同体の中でも、個人対個人の競争原理が適応される。公共は崩壊してしまった。
ゲスト・ワンではなく、オンリー・ワンと言って逃げ出すしかない。努力して、自分を評価してくれる場所は無い。自分を自分が褒めてやるしか存在できないのだ。自分を褒められる人はまだましだ、それも出来ない人は多い。
本著は、経済問題から、社会構造までもの、課題が提案されている。本著は、日本社会の悩みまで、言及されている。こ一冊を熟読すれば、全ての課題が理解できる。回答を出すのは、もちろん自分である。ボケ爺の課題の良い演習問題である。それにしても、夏目漱石の先見力は、ずば抜けている。
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