日本の将来
未曾有の経済危機を受けて、経済危機克服に躍起になっている。それらの中で、気になる記事が多い。楽天的に考えれば、「日本はまた上る」と言うことのようである。その基本が、モノづくりで日本が優れている、と単純な理由からである。
韓国、台湾、中国は日本の物まねをしているだけだから、日本に近づいたとしても、追い越すことはあるまい、との論説が多く目に付く。しかし、ボケ爺は韓国企業に居て、そこから眺める日本は、今まではさておき、これからは怪しいと、楽観的な論説に批判をしたくなる。
韓国にしても、台湾、中国にしても、今までは多くのことを日本から学んできたことは確かであろう。人材も日本から集めたことも確かだ。これからは違う。3国とも、日本以外の国での教育に熱心で、トップ10%位(台湾は30%)は欧米の大学を出て、欧米の企業に勤め、その経営のノウハウから、異文化の中身を学び、自国に帰ってくる。
我が社でも、よくもこれほどまで、海外から韓国人(自国)の人材を集めてこられる、と感心する。役員の1/3はそんな人だ。当然、担当者クラスもそれなりに多いことになる。それだけ、海外へ留学、その後、現地で活躍している人が多いと言うことだ。
日本の現状は、修士、博士修了者の進路のデータでは、海外活躍組みは2%に過ぎない、との調査である。追従3国に比べ、異常に少ない。必ずしも、海外組みが好い訳ではないが、異文化の混合がなければ、これからの経営克服のための革新(イノベーション)はおぼつかないのでは、と思う。
最近の新聞で、シャープのLCD-TVが、サムスン電子から、アメリカで特許提訴され、アメリカ市場から締め出されるかもしれない、との指摘が新聞を載っていた。追従する3国の技術力が、日本を上回る可能性を秘めていることを物語っている。日本の将来に不安を感じるのは、ボケ爺だけだろうか。
<読書>
「隠し剣弧影抄」 藤沢周平 文春文庫
とにかく楽しめる作品である。剣道の秘儀が使われる場面の創造の立案に感心する。それも、女性のために、お家のために、義理のために、と多彩である。気分が晴れる短編集である。
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