ニュー・コンパクト?
「ニュー・コンパクトの発想」、と耳慣れない言葉に出会った。企業メセナ協議会(福原義春会長)の政策提案らしい。「Community Policy for Action」から作った造語だと分かった。政策の内容は、文化に集中投資して、地域を再生し、人間の生活に見合うコンパクトな社会を目指す。と言うことだ。
経済危機に触発されて、考えられた政策のようである。ボケ爺の主張とも一致するところが大いになる。「江戸文化も、同じように経済危機からの産物で、貧しさを、清貧に浄化していった先輩の知恵に学ぶところが多い」と、常日頃、主張している。
日本の一人当たりの、文化予算(787円)は韓国の20%しか無いようだ。GDPの比較からして、10%以下となってしまう。近代日本は如何に、文化(心を支える)から遠ざかってしまっているか。労働のみが是とし、競争第一主義の金本位社会となって、人間の心をおろそかにしている事が良く理解できる。今回の提案は、せめて、韓国並の5倍の予算を実現したいと、言う。
1930年代のアメリカのニューディール政策でも、文化予算が増やされた。無料講演を全米で展開する。公立大学の劇場を、新進作家に解放、支援する。実験的な戯曲を競って求める、など。観賞客の創出は、2500万人が、作品を鑑賞して、1万3千人の俳優と技術者が雇用できた。そして、830本もの作品も出来上がった、との実績もある。今日のアメリカ文化の基礎を築いた。
いつの間にか、文化を大切にしない国になった日本、この際、政府は良く考えてもらいたい。
<読書>
「制服捜査」佐々木譲 新潮文庫
街のポリスボックスの制服警察官は、直接逮捕だとか、捜査ができないのだが、地域に未着した情報から、捜査官の裏を掻くような推論によって、犯人に自首に導く手法は、愉快である。
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