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2007年5月 1日 (火)

五月に入って

 韓国での51日は勤労感謝の日で、休日となっている。昨日と打って変わって小雨が降って肌寒い。それに、昨夜はコテコテの韓流式飲み方で、しこたま飲んでしまい、二日酔いの頭痛は無いが、酒はかなり残っている。雨が小降りになったので、ホテルの裏山に登った。南山にそびえるソウルタワーの東に位置して、南山の森の茂みが押し寄せている。山の峰には城壁があり、結構険しい。うっそうと茂った森は、下草も生えないほどの茂みでもある。

 赤を基調とした、つつじが燃えるような鮮やかさで咲き誇っている。その所どころ、白と薄紫のライラックの花も覗いている。韓国では赤色、黄色、青色の原色に近い花が好まれるようである。その鮮やかさは、国柄、人の気性と合っているのかも知れない。

 日本では淡い色が好まれる。日本人の曖昧さの気性のせいかも知れない。庭の造りもかなり違っている。まだここでは、チューリップの赤や黄色が咲き乱れている。

 5月は、いろんな花もひと通り咲き終えて、若葉の美しい季節となる。若葉の生い茂った森の中を散歩しながら考えるに、外国企業に勤め、意見を通す苦労と、日本企業人として海外現地で外国人に意見を通す苦労とはまったく違うことであるということが分かってきた。海外企業では日本流(意識していないが)を押し付けても通らない、理解されない。海外企業の性格、気質を理解し切っていなければならない。日本企業の現地で長く勤めた方々が、海外通だとは思えない。あくまで日本企業流から離れきれていないと思う。やっとそんなことが分かってきた。

酒も抜けたので、会社に行くことにした。開発、技術の連中はこの休みも出てきている。「ボケ爺、邪魔だ」と言われない程度に、議論を仕掛けることにする。「人となり、企業なり」をもっと理解するためである。

<読書>

「海鳴り」上下 藤沢周平 文集文庫

藤沢の作品はかなり読んでいる方だが、まだ読みきれていない。市井の人々の中に人のぬくもり、性を書かせると、こんなに上手い人はいないと思っている。商売人の世界を描いている。商売の中に仕掛けられた罠、闇と戦いながら、人の情を描いたこの作品も、またすばらしい。

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