遺伝子がオン、オフ
最近、遺伝子がオンするとかオフ状態だとか、よく耳にする。性格など親の遺伝であるとか言っていたが、必ずしもそういうことにはならない、との説があると、以前にもこのBlogで紹介したことがあった。親からの遺伝子がすべて全開しているわけではないらしい。結構気まぐれで、有効な状態がオン、眠っている状態がオフだそうである。
感情、脳の働きなどでよく研究されているようであるが、他でも証明されてきている。所謂成人病と言われるものでも、時代と共に、成人病の中身が変化してきているらしい。成人病は生活習慣症といわれ、今日は、最も肝機能異常が多くなっており、26.6%と言われている。数年前は、心臓異常がトップであった。
癌なども、以前は遺伝子によるとされており親が癌だと必ず癌になると、思われていたものである。しかし、統計を取っていくと、今は、胃ガンがトップであることには変わりは無いが、31.7%である。それでも以前の半減だそうである。それに変わって、大腸ガンが18.1%、肺ガンが9.1%と、わずかながら向上している。特に、前立腺ガンと、乳ガンが急上昇していると言う。これらは生活環境の変化がもたらしている現象だとされている。具体的にどんな因子の生活環境であるのかまでは特定されていない。いずれにしても、ホルモンとたんぱく質の微妙な関係であろう、と想像する。
先日、TVで長寿と遺伝子の話がされていた。長寿は老化遺伝子がオンすると、かなえられるのだそうである。具体的に老化遺伝子をオンさせるたんぱく質が見つかってきているようである。近々、苦労することなく、全員が100歳まで生きられることになるのかも知れない。そんなことがあってもいいのか?かえってつまらない人生となるのではないか?死にたいときに死ねるようなたんぱく質を発見して欲しいものである。自分の人生は自分で自由に操作したい。長生きがいいことかどうかは分からない。怖い世の中が来そうで、クワバラ、クワバラ!
<読書>
かずら野 乙川優三郎 新潮文庫
足軽の娘、菊子が奉公に出され、実はめかけとして売られて、絶望し、死を覚悟したが、事件に巻き込まれて、逃亡生活をしながら、一度狂った運命を背負いながら、その運命に逆らえなくて、懸命に自分で生きていかなければならない宿命を描ききっている。これほどまでに、きめ細かく、丁寧に菊子の気持ちを描ける作家は乙川以外いないだろう。決して速読はできない。遺伝子操作が出来るとこんな小説が読めなくなり、感動がなくなってしまう。
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