雨に打たれ!
かなり曇って暗かったので、目覚めは遅くなった。それでも、午前中は霧雨が降ったり止んだりで、このまま止むのかな、と思っていたが、午後に入り、急に、南東の風が出てきたか思うと、大粒の雨が降ってきた。アパートの窓に叩きつける。その音の激しさは、ここに来て久しく聞いたことがない。なんだかリズミカルなようで、不規則な揺らぎの音に、ソファーにもたれこみ思わず、うたた寝をしてしまった。30分ぐらい寝たであろうか、目を覚ますと、風はおさまっていて、雨は小降りであったが降り続いていた。
反対側の窓は雨に濡れていない、その窓からは、小雨に濡れて、緑を抱いた小山が美しく、まばゆい。山裾に群生している白い花をつけたアカシアはすっかり花を落としている。小山だが山頂付近は煙っていて見えない。目を右に向けると、裾野の緑が剥ぎ取られて、赤土がむき出しになっている。高速道路の建設を急いでいるようだ。赤土と緑のコントラストも、悪くはない。
一日中雨の休日は始めてかもしれない。こんな日は、本を読むに限る。何か行動しないといけないと言うせき立てられる事なく、その時間割を考える事が必要ないのだから、心からのんびりとできる。
それでも夕方ごろ、雨が止んだのか、子供の声がにぎやかに聞こえてくるので、頭が霞んで来たことでもあり、酸素を取り入れようかと、少し散歩に出かけることにした。窓ガラスが濡れていて雨の量は分からない。下りてみたが、やはり傘がなければ少し歩くとシャツがしみるぐらいの雨が降っている。子供たちはそれでも、傘をささずに、戯れている。
玄関から見える歩道には、バラの垣根がある。真っ赤なバラの花が雨に洗われてその鮮やかさが真紅となり、引き立っている。この国は赤い色のバラがほとんどである。どうして、赤がほとんどなのかとたずねた事があったが、答えは、税金の関係だそうで、輸入する時に、赤色のバラだけが関税が掛からなったからだ。今は、そんなことはなくいろんな色が栽培されている、と言う。嘘のような、ホントの話だそうだ。
<読書>
「無痛」久坂部 羊 幻冬舎
加害者も被害者も本当の「痛み」を理解する事ができない。治療においても、「痛み」をなくする、ことと、治療をすることとの相関を取る事は難しい。また、人はどこまで正常でどこからが異常なのか、も分からない。罪なき罰と、罰なき罪があるがどれが一番悪いのか。そんなテーマを複合して、複雑に絡ましてのミステリは、現代に、多くの課題を提示してくれる。久しぶりに一気に読めた。課題は深いが、ストーリには無理があるように思える、のが欠点か。
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