春が
先日、出張から帰った(韓国)日曜日は震えるような寒さが戻ってきていた。-5℃だと言うアナウンスがあったが、実感温度はそれ以上であった。一週間がたった今日は暖かい。
それまでは、川は再び凍り、雪の降る日が続いていた。暖かさに誘われて昼過ぎに散歩に出た。すでに新学期が始まっている小学校から下校している小学生の集団に会う。彼らも、Tシャツに近い薄着である。住んでいる近くにブンダン中央公園がある。山あり、池ありの、一周、約1時間の散歩コースである。そこにも春が訪れていた。サンスイュと札がついっている、ロウバイに似た黄色い花が咲き始めている。コブシは今にも開きそうな様相である。韓国の春も、黄色から始まる。猫柳は花が咲き、寒さの日の産毛の銀色の神秘な美しさはもう無い。川添の土手には、ヨモギが芽を出している。アズマたちがそれを積んでいる姿はよき昔を思い出す。お餅によし、コチュジャンで和えて食べるのも、又よし。
鳩は世界中に存在する鳥であるが、ポップコーンをついばんでいる姿も変わりが無い。世界の平和の象徴の証であろう。鳩に鳥インフルエンザは似合わない。
河原には、高校生の新人歓迎会が始まりかけている。一組は合唱クラブだろう、発声練習を順番にしている。アー、アーアーは音楽教育が西洋から教えられたのであろう日本と全く同じである。それにしても若者の笑顔はすがすがしい。
河原のベンチで読書もよいものである。そんなところでは軽い読み物がよい。
春はようやくそこまでやって来た。
<読書>
「「秘めごと」礼賛」坂崎重盛 文春新書
荷風、谷崎、乱歩をはじめとして、出てくるは出てくるは作家の秘め事。世間の良識なるものに背を向けた生き方にこそ学ぶ真実があると言うが。この中には、実に昔の作家が生きる苦しさから自由を勝ち取ろうと、もがいた話が一杯詰まっている。近代文学を読みなそうと思わせる著書である。
| 固定リンク
コメント