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2006年3月22日 (水)

顧客主義

 商品企画で他社を差別化したい、それをベースに沢山の販売をしたい、そして利益を出したい、といつも経営者は考えているし、経営者はプレッシャをかける。そのホコ先が、先ずはマーケティングである。

 現在マーケティングのバイブルはなんと言っても、コトラー(Kotler)の「マーケティング・マネージメント ミレニアム版」(ピアソン・エデュケーション)(Marketing Management,The Millenium Edition)である。①環境をSWOTで分析をして、②ターゲットマーケットで戦略を固め、③4Pを考慮して、④具体的戦術を計画する、が基本の筋である。とは言ってもそう簡単ではない。簡単には顧客の希望と一致すればいい、と言う。ドラッカーの基本でもある顧客の立場に立って、顧客の気持ちを取り入れて、と言う、なんと言っても顧客主義が貫かれている。

 しかし、複雑系の市場では、顧客は本音を語ってくれない、顧客は気ままで、"移ろい"である。顧客の分析では決して新企画は生まれない。顧客と企画を共有せよ、そして心を揺さぶり共振させよ、とため息が出てしまうようなことを言う。

顧客に迎合しすぎである、と過激なポストマーケティングを唱え、真っ向から、コトラーに論戦を挑んでいる人がいる。それが、スチーブン・ブラウン氏である。「ポストモダンマーケティング」(ダイアモンド社)(Forget the Customer,Develop Marketease:Stephen Brown)が刊行されている。「顧客の話しなんて聞くな、こちらに振り向かせよ。」と顧客第一主義に対抗している。この著書はそんな内容を分かり易く解説している。さてさて、これとて、そう簡単ではない。元々簡単な方法は無いと諦めないといけないが、何かにすがりたい、助けてもらいたい。とかく経営は難しい。

<読書>

「漱石と三人の読書」石原千秋 講談社現代新書

なんと、漱石は顧客の反応を見ながら小説を書いていたと、と言う論説である。元々、漱石は「モダンマーケティングの先生」である。先ずは、今日のITのビジネスモデルの“著作権”を確立させた、ことである。さらに、小説は実験である、として、顧客を三層に分析して、それの顧客を意識しながらストーリーを想像して、ストーリーを構成していたのではないか、と仮説を提案している。そんな論説は全て同意できる。

 漱石はビジネスマンである。だから、漱石先生から目が離せない。奥深い作意が組み込まれているからである。

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