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2006年2月12日 (日)

旧暦の1月15日

 立春(2月4日)に散歩に出かけた時はまだ冬の気配が漂っていた。空の色の青さが凍て付いていたし、川は氷が張り詰めて、カモなど氷上で包まって動かなかった。1時間ほどの散歩でも、以前の登山の下りで痛めた右足の膝が寒さのためにガクガクと笑い始めた。

 今日は、朝から、天気が良いと言うよりは、光が春めいて、白く、明るくなってきたのが良く解る。冬とはまったく違う光の色になっている。朝はマイナス5℃ほどで、散歩の1時ごろには3~4℃にはなっていたのだろう。川からすっかり氷の姿は消えていた。それに変わって、カモなど水鳥が騒がしく動き回っていた。さらには、太陽の光を借りて、猫柳の芽が大きく膨らんで銀色の産毛が川渕一杯に輝き、水しぶきが凍って出来た氷の花の輝きと絡み合う姿は絵には出来ない美しさである。それらの小木に、メジロの大群が押し寄せてもくるに、思わず身構えてしまった。

 人も、それに連れ散歩道、公園の広場にあふれかえっている。昔ながらの米ゴマ遊び、ローラーブレード、凧揚げに夢中である。その大会を屋台も出て花を添えている。いつの間にか、犬の散歩も増えてきた。犬もご機嫌で駆け回っている。愚笑妙チャーリーも目を細めているであろう。合掌。

 10mほどの黒松の林の地面からは枯葉と土の匂いが立ち込めている。思わず深呼吸をしてしまう、そんな自分に笑ってしまう。その匂いを求めてか、ケラ、百舌が耳を劈く激しい鳴き比べの競演を楽しんでいる。

 さらに先を急いでも、右の膝は笑うことは無かった。それだけ暖かくなったと言う事か?

<読書>

「悪女の笑窪」 大沢在昌 文芸春秋

男を完璧に見抜く女のエンターテイメント小説。作家、大沢在昌といえばエンターテイメントの先駆者。小春日和に最適の読み物。

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