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2006年2月10日 (金)

ITと親子

 最近、よくニュースになるのは、少子化のことである。少子化の影響は計り知れない状況を生むであろう。今からどうなるかは読みきれない。老人国家になることは確実である。そんな中、子供による犯罪、子供への虐待など今までと違った現象が現れていることは事実である。これが少子化からもたらされているか、は疑問ではある。一方、若者の就職が思わしくない、とか、引きこもり、社会活動への意欲が無いとか言われ、ニートなる新しい言葉も生まれてきている。 

後者の現象は、ITの発達と大きく関わっている、と言う説が多い。主な理由は、面と向かった会話の不足と、IT言葉が人の心を理解できなくなっているのではないか?という説である。つまり、ITでは心が通じ合わないと言う理由からである。

我が家のことに立ち返って考えて、コメントするにはいささか不安がある。親子らしい(これがなんだか定義は出来ないが)会話はあったのか?心に染みる話が出来ていた、とは思えない。子供が成長するまでは、誰とも同じく、仕事、仕事で帰りは遅く、一家団欒の食事は、ほとんど記憶に無い。今にして、謝罪しても遅すぎるようだが。しかし、近年では、わが家はメール、Blogなどでの情報交換は大いに助かっている。Bolgでは4人とも勝手なことを書いているが、少なくとも、直接の会話より心が伝わるように思う。考えが良く解る。

親ばかになった娘と、その孫の成長振り。文武両道の成果と、友人関係、恋人との状況が分かる息子。文章はうまいと自慢する妻の外向きの顔。面白く拝見している。四天王一家ではあるが、親子の交流はITを活用して、今のところ、巧く行っているのではないかと、悦に入っている。この思いは父親だけか?しかし、だからと言って親の責任がこれで果たせたとは思っていない。多分果たせないだろう。力不足だから。

そのような訳で、私は、IT発展賛成論である。現在の問題は、むしろ、日本の企業活動、経済状況との相関関係が大きな比重を占めているのではないか、と考えている。それに、日本は大きな夢を失っているのではないか?「夢の創造」の戦略が必要である。

<読書>

「骨董屋 中村商店」 川上弘美 新潮社

いわゆる現在的若者の活動がうまく描かれている。今の、これからの日常はこんな生活が主流になるのかも。

「エクスペリエンツ」 堺屋太一 日本経済新聞社

団塊世代の老齢時代についての未来生活の予想を描いている。夢縁のつながりが重要視されると展開される。この提案は楽天的過ぎないか?

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